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概要

吉富町町勢要覧

 中学教諭として吉富中学校などで教鞭をとり50歳から宮司職に専任。文化財保護委員会や神相撲保存会の設立に尽力されるなど、文化財の保存・継承活動にも精力的に取り組んでおられます。熊谷 房重さん??4代目 宮司2016 吉富町 町勢要覧 八幡古表神社の起源は、御殿の1つである八幡宮が鎮座した544(欽明天皇6)年とされています。1400年を優に超える歴史の中で宮司家に関する大きな変化は明治時代にありました。廃藩置県によって中津藩の藩社から福岡県の県社に変更されたのを機に、1896(明治29)年現在の熊谷家が派遣されました。熊谷房重宮司はその4代目にあたり、八幡古表神社を本務社として町内外15の神社を兼務されています。 神社は赤ちゃんのお宮参りや七五三、成人式、結婚式など人生の節目に訪れるものですが、昭和40年代頃までは子どもたちにとって格好の遊び場でもあったとか。「野球をしたり相撲を取ったり、境内にはいつも子どもたちの声が響いていました。小さい頃から顔を知っているからか、みんな“宮司さん”ではなく“おみやンせんせい(お宮の先生)”と呼ぶんですよ」。 そんな熊谷宮司のもと八幡古表神社は文化財の保護活動にも尽力しています。保有する多くの有形文化財は古い時代に制作されたという歴史的希少性ばかりでなく、「私たちにとって神様そのもの」と熊谷宮司は言われます。「傀儡子人形も女神像も、神事の間のひととき神様におうつりいただく御神像です。目で見ることを目垢と言いますが、御神像だからこそ普段は見てはならない、目垢をつけてはならない。私たちがお守りしている文化財はそういう観念をもって大切にされてきたものであり、伝えるべきものです」。自然を畏れ、慎むこと。時代によらず変わってはいけない人の生き方を教えてくださるのが本町のお宮の先生なのです。small, but comfortable 例大祭は全国の神社で行われる神事ですが、八幡古表神社の例大祭は鎮座記念日9月21日の前の土・日に執り行われます。八幡古表神社の祭神を御神輿にうつしお祓いをした後、御神輿を担ぎ地域を巡行しながら本町内の事比羅神社(天仲寺山)へ。天下泰平、地域の繁栄、平穏無事をお祈りします。例大祭・御神幸御神像だからこそ普段は見てはならない、目垢をつけてはならない。毎年9月中旬吉富町を見守る“お宮の先生”17