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【8】近世の石造文化と伝承芸能

■幕府天文方 伊能忠敬(てんもんがた いのうただたか)一行

幕府天文方 伊能忠敬(てんもんがた いのうただたか)一行は、文化7(1810)年1月22日に小祝で昼食を取り、その日は中津に宿泊しました。「天文方覚書(てんもんがたおぼえがき)」によりますと、直江村には、大将軍社、小犬丸村には宇賀神・貴船神、広津村には八幡宮・道祖神・愛宕宮・祗園社がありました。このように、各村には、かならず鎮守社が最低1社はあり、多いところでは広津村のように4社もあったのです。今吉村の春日神社の鳥居は、吉富町内で最も古いもので、元禄6(1693)年9月に建立されています。別府村の貴船神社の鳥居は文政5(1822)年2月8日に建立されたものです。神社の鳥居の形式と石材に、吉富の石造文化の地域性と宗教圏・文化圏を推し計れることができます。

土屋村に残る「土屋神楽」は、壷神社に奉納されるもので、神楽講の起源を天明7(1778)年に求めることができます。近世の三大飢饉の直後に、国家安穏(あんのん)・五穀豊穣を祈願して奉納されたものと思われます。

豊前地方で最も古い歴史を持つ伝承芸能「土屋神楽」を後世に伝え続けたいものです。

■土屋神楽

町指定民俗文化財 無形
平成14年8月23日

土屋 土屋神楽保存会


■鈴熊寺の石仏

民俗文化財 有形
鈴熊 鈴熊寺

鈴熊寺に安置されている多くの石仏は、昭和3年に成就した鈴熊新四国八十八ヶ所に安置されていたもので、今は現地に集められています。

■春日神社の鳥居

町指定 有形文化財 建造物
平成4年10月12日 今吉 春日神社

春日神社には、吉富町内で最も古い鳥居があり、鳥居の脚には、「奉建立元禄六(1693)癸酉暦九月上旬 横河氏種政氏子中垣成」と刻まれています。


■貴船神社の鳥居

有形文化財 建造物
別府 貴船神社
貴船神社は、別府の氏神である高龗神(たかおがみのかみ)(雨を司る龍神として信仰)を祭神としています。鳥居は、鳥居額束に「貴船宮」、脚に、「文政五(1822)年壬午二月八日奉寄進 当講中」と刻まれています。


■庚申塔

民俗文化財 有形
土屋 壷神社境内

庚申信仰は、中国の道教思想によるもので、人の身体には3匹の虫(三尸)が潜んでいて、庚申の夜、人が寝静まると腹中から抜け出し、天帝に人の悪業や過失を伝え、人の生命を縮めるといわれ、60日に1度めぐってくる「庚申の夜」は、眠らずに過ごして延命招福を祈念する信仰として伝えられています。この庚申塔には、上部に瑞雲を伴った日輪・月輪が左右にあり、中央に一面六臂の青面金剛が邪鬼を踏みつけ、脇侍に僧形の2童子が立ち、邪鬼の前後に鶏が2羽、台座には「奉修衆拾五人」と刻まれています。


■鈴熊石造物


■塞神

民俗文化財 有形
鈴熊 道祖神社内

塞神は「さやのかみ・さえのかみ」とも呼ばれ、日本古来からの原始神の一つで、村境や岐路などに祀られ、悪疫、悪神の侵入を防ぐ神でありました。近世になると、人の一生を旅にたとえて、男女敬愛の神として男女の生殖器を通して、生産の神、田・畑・山の神的性格をもつなどさまざまです。


■壷神社の献水神事と水占い

町指定 民俗文化財 無形
昭和60年4月1日

土屋 壷神社
毎年10月14日に行われる壷神社の秋祭り神事で、地元土屋区の氏子の中から選ばれた若者が褌一つで佐井川から手桶に水を汲んで持ち帰り、その浄水を神主が神霊の宿る壷に献水し、神壷に納まった水の量によって翌年の五穀成就に必要な降水の過不足を占う神事です。この神事は、弘安4(1281)年、空から天降った明星の神を土屋三郎右衛門という人が発見し、川の中に飛び込み、壷にすくい上げ、壷大明神と奉称してから現在まで続いています。

お問い合わせは教育委員会
 教務課

電話0979-22-1944

窓口:フォーユー会館内  
〒871-0811 福岡県築上郡吉富町大字広津413番地1
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